株式会社PR Tableは企業が社会との関係構築をしていく際に有効なPR(Public Relations)という手法が、PR業界の発展の中でメディアリレーション中心の手法として形骸化していることを危惧し、これからのPRのあり方をPR業界と企業の広報や経営層を巻き込んで共に考えるためのカンファレンスイベントを2018年に企画実施しました。企業内で働く個が基点になって、企業や社会との関係性が構築されていく時代の到来を「PR3.0」というコンセプトに込め、そのアクションを通じて同社の企業ブランディングを試みる過程から、デザインで向き合いました。
PR3.0というまだ形の定まっていない概念をブランドアイデンティティ化するには、その背景にある可能性や多様性といった要素をいちど抽象化し、カンファレンスイベントのVIとして機能するデザインに落とし込む必要がありました。セッションの構成や、同社の今後の展望などをヒントにしながら形にしていきました。白地のグラフィック5種と黒地のグラフィック5種が織りなす世界観は、あらゆる強い個性を包み込みながらも、拮抗する対局の世界の狭間に新しい価値を生み出そうとする不思議な力学を持つデザインになりました。
PR3.0 Conferenceの成功を機に、同社のサービスプロダクトPR Tableも、企業の新しいPRプラットフォームとして成長しています。2020年にはプロダクト名を「talentbook」に変更し、企業で働く個の情報発信を通じて企業価値向上を実現するプロダクトへと進化しました。弊社はプロダクトブランドの変更タイミングにリリースされた同社のコーポレートサイトの改訂から、現コーポレートブランドアイデンティティの設計にも引き続きデザインで向き合っています。